独自動車照明・電子部品大手のヘラーは14日、2020/21年度の第1~第3四半期決算(9カ月、6月~2月期)における営業利益(EBIT、調整済み)が3億7,300万ユーロに拡大し、前年同期比で10.1%増加したと発表した。コロナ禍の影響を受け、コスト削減措置を強化したことが営業利益を押し上げた。
為替変動・ポートフォリオ調整後の連結売上高は0.3%減の47億4,300万ユーロと低迷したものの、売上高営業利益率は7.1%から8.0%に改善した。為替損益や卸売事業売却を考慮した名目売上高は4.2%減の46億4,600万ユーロ。営業損益(EBIT)は前年同期比横ばいの3億1,200万ユーロ、営業利益率で0.3%増の6.7%を確保した。
部門別売上高は、主力の自動車部門が40億ユーロ(2.7%減)、アフターマーケット部門が3億6,900万ユーロ(1.3%減)、スペシャルアプリケーション部門は2億5,800万ユーロ(3.3%増)。また、EBITは自動車部門が2億9,500万ユーロ(営業利益率7.3%、改善幅0.6ポイント)、アフターマーケット部門が4,800万ユーロ(同13%、同3.5ポイント)、スペシャルアプリケーション部門は2,800万ユーロ(同10.8%、同0.1ポイント)と軒並み改善した。
今年度(2021年5月末)の通期見通しについて同社は、為替変動・ポートフォリオ調整後の連結売上高が61億ユーロ~66億ユーロ、営業利益率は6%~8%になると従来予測を据え置いた。半導体などの自動車関連部品の不足や長引くコロナ禍の影響を受け、今後数か月は状況がさらに厳しくなる可能性もあるものの、通期業績に大きな影響はないとの見解を示している。