ドイツ機械工業連盟(VDMA)が26日発表した同国食品・包装機械業界の2020年の生産高は前年比9%減の139億ユーロへと落ち込んだ。減少はリーマンショックに端を発する金融危機以降で初めて。コロナ禍のほか、比較対象の19年は生産水準が極めて高かったことが響いた。
包装機械の生産高は67億ユーロで、前年を8%下回った。食品機械では甘味菓子機械が18%減少。飲料製造機械も2ケタ減となった。グローバルレベルで事業を展開する食品大手が設備投資を凍結したことが直撃した格好だ。食肉加工機械と製パン機械は内需が堅調で、外需不振の影響が相殺された。
輸出高は85億ユーロとなり、前年を8%割り込んだ。減少幅は包装機械と食肉加工機械、製パン機械で5~6%にとどまったのに対し、甘味菓子機械は同24%、ビール製造機械は38%に達した。両部門は前年の水準が極めて高かったことから反動が出た格好だ。
輸出を仕向け先国・地域別でみると、米国は8%増の12億ユーロ強と好調だった。欧州連合(EU)は15%減少。アジアも2ケタ減となった。
今年は生産高が拡大に転じるものの、19年の水準には届かないとVDMAはみている。