ドイツ連邦統計局が4月29日発表した同月の消費者物価指数は前年同月比の上げ幅が2.0%(速報値)となり、2年来の高水準に達した。エネルギー価格の上昇率が前月の4.8%から7.9%へと拡大したことが最大の押し上げ要因。食品は同1.9%で、物品全体では2.6%に上った。サービスは横ばいの1.6%だった。
比較対象の2020年4月はコロナ禍で石油価格が急落したことから、今年4月はその反動で高騰した。石油価格は昨年5月が直近のボトムとなっており、今年5月は上げ幅がさらに拡大すると予想されている。
ドイツでは新型コロナ危機対策の一環で昨年7月から12月にかけて付加価値税率が引き下げられた。このため、今年7月から12月は付加価値税が元の水準に戻された効果で前年同月比のインフレ率が一段と押し上げられる見通し。3%を超える可能性も指摘されている。
今年4月の前月比のインフレ率は0.5%だった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が2.1%、前月比が0.5%となっている。