ドイツ連邦統計局が7日発表した3月の輸出高(暫定値)は前年同月比16.1%増の1,265億ユーロと大きく伸び、過去最高を記録した。増加は3カ月ぶり。比較対象の2020年3月はコロナ禍の第1波で経済活動が大幅に鈍化しており、その反動が出た格好。世界経済が回復していることもあり、今年3月は大幅に拡大した。輸入高(同)も15.5%増えて過去最高の1,059億ユーロに達した。貿易収支の黒字幅は19.2%増の205億ユーロ、経常黒字も21.8%増の302億ユーロへと拡大した。
営業日数・季節要因調整ベースの輸出高は前月比1.2%増の1,115億ユーロとなり、11カ月連続で伸びた。ドイツで新型コロナが流行する直前の20年2月に比べると0.9%低い。
同輸入高は前月比6.5%増の972億ユーロとなり、2カ月連続で拡大した。20年2月に比べても6.7%高い水準にある。
輸出(非調整ベース)を仕向け先地域別でみると、伸び率が大きかったのはEUで、ユーロ圏は前年同月を22.6%、その他の加盟国は同18.1%上回った。EU域外は10.8%増。1月1日付でEU域内市場と関税同盟から離脱した英国は13.2%減となり、これまでに引き続き大幅に落ち込んだ。
輸入(同)でもEU加盟国との取引が全体をけん引。増加幅はEUのユーロ非加盟国で23.6%、ユーロ圏で16.2%に上った。EU域外は12.2%。英国は1.2%増と前年同月をやや上回った。
1~3月(同)の輸出高は3,326億ユーロで、前年同期を2.4%上回った。ユーロ圏向けが4.7%、EUのユーロ非加盟国向けが4.9%の幅で増加。EU域外向けは0.3%減で、英国向けは17.6%縮小した。
1~3月(同)の輸入高も2.4%増えて2,800億ユーロとなった。EUのユーロ非加盟国からが8.2%、ユーロ圏からが2.9%増加。EU域外からは0.1%減少した。英国からは27.7%減だった。
1~3月(同)の貿易黒字は526億ユーロで、前年同期を2.7%上回った。経常黒字は6.6%増の664億ユーロへと拡大した。