フォードが移動中のヘッドフォン装着リスクを実験、危険予知に4秒の遅れ

米自動車大手フォードの欧州法人(独ケルン)は12日、道路利用者が移動中にヘッドフォンやイヤフォンを装着することの危険性についての調査結果をまとめ、公表した。ヘッドフォンなどを着けたドライバーや自転車利用者、歩行者が外部の音から遮断されることにより、潜在的な危険への対処が遅れる可能性があるとしている。実験では、ヘッドフォンで音楽を聴いている人はそうでない人に比べ、道路上の危険を予知する時間が平均で4.2秒以上遅かった。

実験は仏、独、伊、西、英の2,000人以上の被験者を対象に、没入型の仮想空間を設定して行われた。被験者に対し、全方向から立体的に音が聞こえる環境である「8D立体音響」システムを通して道路上の様々な音(後方から近づく救急車など)を聞かせ、危険な状況に対処する反応時間を測定した。実験を受けて、被験者のうち移動中はヘッドフォンを着けないようにしたと答えた人の割合は実験前の44%から、14ポイント増の58%に拡大した。

同実験は、道路利用者の相互理解と譲り合いの促進を目的とするフォードの「シェア・ザ・ロード(ShareTheRoad)」プログラムの一環として実施された。

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