ロシア中央銀行が進めるルーブル建ての中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタルルーブル」構想が、早ければ年内にプロトタイプが発表されるもようだ。スコロボガトヴァ第1副総裁がこのほど、国会の金融市場委員会作業グループに提出したCBDCに関する諮問報告書で明らかにした。中銀はこれと並行して運用プラットフォームのプロトタイプの開発も進める。
ロシア中銀は昨年10月、デジタル通貨に関する報告書を発表し、CBDC発行に前向きな姿勢を示した。CBDC導入により資金の移動が容易になり、迅速化されることから金融業のイノベーションと競争促進につながるほか、政府関連事業で支出された資金の動きを追いやすくなるとしている。
独立系研究機関のスコルコヴォ金融テクノロジー・デジタル経済研究センターが行った最新の調査によると、デジタルルーブルを支持するという回答は約5割だった。反対という回答も4割近くあり、賛否の声が大きく分かれている。