スロバキアのバッテリーメーカー、イノバット(InoBat)と英豪系資源大手のリオ・ティントはこのほど、セルビアの電気自動車(EV)向けバッテリーのバリューチェーン構築で協力することで基本合意した。同国でホウ酸リチウム鉱山を開発するリオ・ティントの主導で、鉱石採掘からリチウムの生産、バッテリーへの使用、リサイクルに至るサプライチェーンを確立させる。
リオ・ティントは2004年、セルビア西部ジャダール盆地でホウ酸リチウム鉱床を発見。昨年、開発プロジェクトを進めるため約2億ドルの投資を決めた。実現可能性調査を経て、年内に開発認可や用地取得など諸手続きの完了を目指す。採掘した鉱石からバッテリー用炭酸リチウムを生産し、欧州市場向けに供給する計画で、年産量は約5万5,000トンを予定する。
イノバットはEV用バッテリー分野で製造とリサイクルに関わる革新的なエネルギーソリューションの開発に取り組んでいる。米ワイルドキャット・ディスカバリー・テクノロジーズとの提携で現在、スロバキア国内に研究・生産施設を建設中で、年内に試験生産を開始する見込みだ。