英政府は4日、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインとの新たな通商協定で合意したと発表した。3カ国はEUに加盟していないが、EUとの間で相互の完全な市場アクセスを保障する欧州経済領域(EEA)を形成している。英国は2020年末にEUから完全離脱しており、これに伴い3カ国と改めて通商協定を結ぶ必要があった。
新協定では原則としてEEAの枠組みで適用されていたルールが引き継がれ、一部の農林水産物を除く大部分の物品で引き続き無関税での貿易が可能。ロイター通信によると、ノルウェーとの取り決めでは英国に輸出される魚介類の関税が引き下げられ、タラなどの白身魚は無関税となる。一方、英国からの輸出ではチェダーなど4種類のチーズの関税が引き下げられる。具体的な税率は公表されていないが、ノルウェーが外国産チーズに課している最大277%の関税を大幅に下回る水準で合意したもようだ。
トラス英国際貿易相は「本日の合意はノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインとの貿易を大きく後押しするものだ」とコメント。ノルウェーのソルベルグ首相は「チーズについては譲歩したが、魚介類に関しては有利な条件を引き出した」と語った。