女性がIT系技術職に就くのは当たり前~ブルガリア

ブルガリアは技術系の仕事についている女性が多い。IT業界従事者の28%強を女性が占め、欧州連合(EU)のトップを走る。その背景には歴史的な理由がある。

社会主義時代には、女性に対して働くだけでなく技術職に就くことが奨励された。学校教育でも理数系に重点が置かれ、1960年代から女性が技術職についていた。また、ブルガリアは東側諸国のコンピューター生産柱の一つで、米アップル社のPCの模倣品など、最盛期には社会主義圏で使われるコンピューターの40%の生産を担っていた。

そして、2007年のEU加盟以降は国際的なIT企業がブルガリアに多く進出するようになった。(1)域内比較で賃金が安い(2)政府の投資誘致策(3)大学教育を受けた有能なIT専門家の存在――などが追い風となった。(3)の関連では、工学系学生の最低女性比率が設けられるなど、女性の技能向上を後押しする制度が存在した。

それでも、全てにおいて男女平等というわけでもないらしい。IT専門職の平均月給は1,800ユーロと、ブルガリア国内平均の2倍に上るが、女性の給与は男性より低いようだ。ITの中でも技術的要件が高い職種ほど稼ぎは大きいが、そのような職には男性が従事する傾向が強いためだ。

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