英政府は1日、同日の新型コロナウイルス感染による死者はゼロだったと発表した。死者が出なかったのは昨年3月以来。英国の新型コロナによる死者は約12万7,700人と世界5番目の規模となっているが、ワクチン接種が進んでいることで急速に改善してきた。
政府の公式発表で死者として勘定されるのは、検査で陽性と判定されてから28日以内に死亡した人。同基準による1日当たりの死者は1月に1,000人を超えていた。
しかし、新型コロナワクチンの接種が急速に進んでいるほか、1月5日から首都ロンドンを含むイングランド全域で3回目のロックダウンが実施された効果で感染者が減り、死者も減少傾向にあった。
ただ、新規感染者は感染力が高いとされる変異株の流行もあって、このところ増加の兆しが出ており、1日当たりの新規感染者は3,165人に上っている。ハンコック保健相は、死者がゼロだったのは「間違いなく良いニュースだ」としながらも、「まだウイルスを打ち負かしたわけではない」と述べ、感染予防対策の継続、さらに多くの国民によるワクチン接種の必要性を強調した。
イングランドのロックダウンは4段階で緩和されることになっており、5月17日までに第1~3段階の規制が解除された。ナイトクラブの営業禁止など残る規制の期限は6月21日。政府は変異株による感染の拡大、病床使用率などのデータを見極めながら、予定通り解除するかどうかを慎重に判断するとみられる。