独電気電子工業会(ZVEI)は10日、独業界の2021年の生産成長率予測を従来の5%から8%へと上方修正した。景気の急速な回復を踏まえたもので、ヴォルフガング・ヴェーバー事務局長は「6%減となった昨年の生産の落ち込みは今年にも相殺される」との予想を示した。
4月の新規受注高は前年同月を57.0%上回った。比較対象の20年4月はコロナ禍で受注が20%落ち込んでおり、その反動で大きく伸びたという事情はあるものの、コロナ禍前の19年4月に比べても20%以上、多く、需要は急速に伸びている。国内受注が前年同月比で48.6%、国外が同63.4%増加。国外はユーロ圏が79.2%、ユーロ圏外が55.9%の幅で伸びた。
1~4月の新規受注高も前年同期比23.9%増と好調だった。国内が21.6%、ユーロ圏が24.2%、ユーロ圏外が26.6%増えた。
4月の生産高は物価調整後の実質で前年同月を26.8%上回った。19年4月に比べても約5%高い水準だ。
1~4月の生産高も前年同期比で同8.1%増えた。4月(第2四半期初頭)の工場稼働率は86.7%で、1月(第1四半期初頭、82.0%)を4.7ポイントも上回った。
5月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI、無効回答を除いたベースで算出)は前月の40.1ポイントから35.2ポイントへと低下した。水準自体はこれまでに引き続き高い。
4月の業界売上高は前年同月比28.8%増の158億ユーロに拡大した。ユーロ圏が35.2%増、国内が28.3%増、ユーロ圏外が25.5%増と、伸び率はすべて2ケタ台に上っている。
1~4月の売上高も8.6%増えて639億ユーロとなった。ユーロ圏が10.2%、ユーロ圏外が9.7%、国内が7.0%の幅で伸びた。
5月の業界景況感指数は31.0で、前月(30.7)とほぼ同水準だった。現状判断指数も今後6カ月の見通しを示す期待指数も大きく変化しなかった。景気が回復したことが反映されている。
5月の輸出期待指数は前月35.2ポイントから34.1ポイントへとやや低下した。