化学業界が生産・売上予測引き上げ

独化学工業会(VCI)は9日、2021年の生産高を従来予想の前年比3.0%増から同4.5%増へと大幅に引き上げた。1-3月期(第1四半期)の業績が好調だったためで、出荷価格の上昇率も2.0%から3.5%へと上方修正。売上高は5.0%増から「8.5%増の2,060億ユーロ」へと引き上げた。クリスティアン・クルマン会長は「化学品と医薬品の需要は増加している」と述べた。加盟企業の半数は原料不足の影響を受けているものの、状況は年内に緩和されるとの見方を示した。

1-3月期の生産高は前期(10~12月)を1.1%上回った。製薬が4.2%増と好調で、全体をけん引。ポリマー(3.5%増)とファイン・スペシャル化学品(2.0%増)も増加した。無機化学品は4.4%減と大きく落ち込んだ。工場稼働率は前期の85.0%から86.5%へと上昇し、長年の平均を上回った。

出荷価格は2.2%上昇した。原料の不足と価格上昇、世界経済の回復で水準が押し上げられた。

売上高は513億ユーロとなり、前期を3.6%上回った。前年同期比でも1.1%増加。コロナ禍の発生後で初めて前年同期を上回った。

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