ドイツ連邦統計局が28日発表した5月の輸入物価指数は前年同月比11.8%増となり、1981年10月以来およそ40年ぶりの大きな上げ幅を記録した。エネルギーと中間財が全体を強く押し上げた格好。エネルギーを除いたベースでは上昇率が6.0%だった。
エネルギーは前年同月比99.5%増とほぼ2倍に拡大した。景気回復のほか、比較対象の2020年5月はコロナ禍で水準が急落していたという事情がある。上げ幅は電力で196.3%、原油で135.0%と3ケタ台を記録。天然ガス(99.2%)、石油製品(71.3%)、石炭(26.9%)も2ケタ台に上った。
中間財は15.4%上昇した。上げ幅は特に鉄鉱石(83.6%)、銅(65.1%)、非鉄金属鉱石(46.6%)、プラスチック(42.9%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(32.4%)で大きかった。
投資財は0.6%低下した。データ記録媒体が10.9%減と大きく下落。ノートパソコンは1.8%、自動車・自動車エンジンは0.8%上昇した。
耐久消費財は1.1%の低下、非耐久消費財は0.6%の上昇だった。
農産物は7.5%上がった。天然ゴムが52.2%、コーヒー生豆が22.2%、穀物が18.2%上昇。ナッツ類は16.8%、豚は18.2%落ち込んだ。
5月の輸出物価指数は前年同月比が4.2%増となり、5カ月連続で上昇した。前月比も0.7%上がった。