独消費者センター全国連盟(vzbv)は7日、自動車大手ダイムラーを相手取って集団代表訴訟を起こしたと発表した。同社の乗用車に排ガスを不正に操作するソフトウエアが搭載されていたと訴えている。排ガス不正に絡んで集団代表訴訟を起こされた企業はフォルクスワーゲン(VW)に次いで2社目。
集団代表訴訟制度は被害を受けた消費者でなく、認証を受けた団体が消費者に代わって裁判を起こすドイツの裁判制度。VWの排ガス不正問題が発覚したことを受け、2018年に導入された。認証団体はまず裁判所に提出した書類で、10人以上の消費者が問題に該当していることを証明する。裁判所がこの証明を認定すると、消費者は法務庁の訴訟登録簿に登録でき、登録者が50人以上に達すれば裁判が始まる。
vzbvはシュツットガルト高等裁判所に書類を提出した。ダイムラーの乗用車部門であるメルセデスベンツが販売した「OM651」エンジン搭載のSUV「GLC」と「GLK」に違法なソフトが搭載されていたと主張している。当該モデルを巡っては独連邦陸運局(KBA)が18年、違法ソフト搭載を理由にリコール(無料の回収・修理)を命じた経緯がある。
vzbvによると、ドイツでは約5万台が該当している。また、両モデルに関する消費者訴訟の件数はすでに4ケタ台に達している。このためvzbvは10人以上の消費者が該当していることの証明が裁判所に認定されるとみている。
ダイムラーの広報担当者は、訴状を受け取っていないため詳細については発言できないとしながらも、訴えには根拠がないと断言。裁判になった場合は徹底的に争う考えを示唆した。