トルコ中部のカラタイ大学、R&D支援センターを開設

●スマート農機の開発製造を促進

●中長期的には他業種や外国企業との協業も目指す

トルコ中部のコンヤにあるカラタイ大学でこのほど、スマート技術設計・開発・プロトタイプセンター(STEDEC)が開設された。スマート技術を備える農業機械の開発製造を促進する目的だ。

プロジェクト責任者のバルシュ・サミム・ネシミオール氏によると、地域のメーカーはスマート技術を活用する農機の生産で後れを取っている。カラタイ大学ではその理由を調査し、メーカーが必要とするサービスを提供するため、今回のセンター新設計画を策定した。これに対し、欧州連合(EU)から500万ユーロ(5,100万リラ)の資金援助を得たという。

センターはプロトタイプ部門と検証・試験部門から成る。プロトタイプ部門では機械、電子のいずれの部品も取り扱う。保有する3Dプリンターはプラスチックでも金属でも造形でき、出来上がった部品の性能は実際の製造過程で作られるものに劣らない。電子部品のプロトタイプ作成では、プリント基板ラインにあらゆる設備が整い、発案から実物を仕上げるまで一貫したサービスを提供できるという。

検証・試験部門では測定周波の上限が50ギガヘルツのシグナル・スペクトラム・アナライザーと、ベクトル・ネットワーク・アナライザーを導入。無響室では電子機器の電磁干渉テストも行える。

センターは農機に重点を置くものの、「中長期的には他業種や外国の企業との協業も目指す」と守備エリアの拡大に積極的な姿勢を示している。(1TRY=12.80JPY)

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