ロシア、24年にハイブリッド型垂直離着陸機を実用化

●軍事技術の研究機関が開発を担当、航続距離は500キロ

●6人乗りで、有人、自動、遠隔操縦が可能

ロシアの軍事研究機関である高等研究財団(Foundation for Advanced Research)がハイブリッド型垂直離着陸機(VTOL)の開発に取り組んでいる。これまでに重量60キロのプロトタイプの試験飛行に成功。来年には実寸大モデルの試験を行い、2024年の実用化を見込んでいる。

新型VTOL「サイクロカー」は、定員6人あるいは最大荷重600キログラムで最高時速は250キロ。動力は電気だが、燃料発電機を備えることで500キロの航続距離を確保するという。

パイロットによる操縦のほか、自動操縦、遠隔操縦のいずれも可能だ。後部にはスロープを備え、身体障がい者の乗り込みや、貨物の積込みが容易にできる。

推力システムは、オーストリアのサイクロテックが開発した「サイクロジャイロ(Cyclogyro)」に似たものを採用している。直径1.5メートルの円筒型のローターの軸周りにブレードを配置し、軸を回転させて推力を得る。ブレードの角度が絶えず変化し、モーターの回転数を変えることなく、推力を瞬時に前後左右、上下と任意の方向に調整できる。

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