エストニア中銀、デジタル通貨決済システムを試験

●電子政府システムのブロックチェーン技術を応用

●成果はECBのデジタルユーロ・プロジェクトで活用

エストニア中央銀行は7月26日、ユーロ建ての中央銀行デジタル通貨(CBDC)にブロックチェーン技術を利用するシステムの試験運用を実施したと発表した。試験では決済の同時処理やデジタル認証、個人情報保護などの機能、エネルギー消費量の確認に問題がないことが実証された。新システムでは1秒間に30万件以上の決済を同時に行えるほか、送金を2秒以内に完了させられるようになる。

同システムは同国の電子政府システムで使用されるブロックチェーン技術に基づくもの。中銀は今回のシステムを利用しても貨幣供給量は制限されないほか、現在市中にあるユーロの流通量を上回る量を処理できること、通貨の保有者数や同時決済の数は制限を受けないことが確認されたとしている。

今回の試験はスペイン、ドイツ、イタリア、ギリシャ、アイルランド、ラトビア、オランダの中銀と協力して行われ、ネット上に登録されたバルト3国とスペインの居住者が参加した。成果は欧州中央銀行(ECB)のデジタル・ユーロに関するプロジェクトで活用される。同プロジェクトは今後2年間にわたって実施される予定だ。

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