チェコの大学と警察、雑踏監視用システムを共同開発

●ニューラルネットワークによりドローンの撮影映像を自動分析

●「通常の人の動き」をモデル化し、異なる動きを検知

チェコのブルノ工科大学と地元の警察が、ドローンを用いた雑踏警備でいち早く異常を感知できるよう、人間の脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」の応用システムを開発した。ドローンが撮影する映像を自動的に分析し、人の目に頼らなくても早期に異常を発見できるようにする目的。これにより、緊急時の警察・救急隊の出動を迅速化する狙いだ。

新システムはドローンの撮影画像を細かい領域に分けて分析し、全体像を把握する。そのうえで、所与の環境における「通常の人間の動き」のモデルを作る。「通常」とは違う動きがみられれば、該当部分を赤丸で囲み、監視担当者に通報する。

このシステムの長所は、事前の訓練なしに現場に投入できることだ。これまでのテストでは、◇反時計回りに動いていた子どもたちが突然、逆方向に動いた◇サッカーのプレイ中に選手の一部が地面に横になった――ときに異常を察知できたという。

人間が大勢集まったときの「異常」な動きとしては、様々な状況が考えられる。このため、常に「異常」を通報するようなことがないよう、システムの敏感度を調整する機能がついている。

新システムが実用化されれば、犯罪者が雑踏にまぎれても、急に走りだすなど一般の人と異なる行動を手がかりに追跡できる可能性が出てくる。将来的には交差点の監視などへの応用も考えられる。

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