ロシア、EC業界の規制強化を検討

●ECサイトでの順位表示のアルゴリズム公開を義務付け

●価格設定における事業者の裁量を確実にする狙い

ロシアの独占禁止当局が、電子商取引(EC)プラットフォームでの商品・販売者表示順位のアルゴリズムの公開を義務付ける新規定を検討している。現地日刊紙『コメルサント』によると、同規定はロシアの中小事業者連合会Opora Rosiaがそもそも提案していた。

新規定の焦点は、ECプラットフォームが商品と販売者を表示する順位を決めるためのアルゴリズムが明瞭に示され、プラットフォームを利用する事業者が価格を確実に自己管理できるようにするものだ。正当な理由なしに特定の販売者の利用を拒否することも禁止される。独禁当局は、新規定には罰金や罰則を盛り込み強化するべきと考えているもようだ。

規制強化の動きの発端は、ホテル予約プラットフォーム世界大手のBooking.comのベストプライス制とされる。独禁当局は手数料の優遇がある同制度を問題視し、廃止を指示したが、同社はこれに対し控訴中だ。ECプラットフォームが販売者に値引きなど価格変更を求めた事例もあるが、マーケットプレイス業界は、これは個別な問題であり事例を業界全体の規制強化につなげるべきでないと、懸念を示している。

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