スロバキアのバッテリーメーカー、イノバット(InoBat)は24日、電気自動車
(EV)用リチウムシリコン電池の材料調達で、米グループ14テクノロジーズと基本
合意を交わしたと発表した。温室効果ガスの排出減に向けてEVへのシフトが加速す
るなか、エネルギー密度の高いリチウムシリコン電池の需要が高まっていることが
背景にある。
イノバットは2019年の創業で、自動車・航空業界などの産業顧客向けにバッテリー
を開発供給している。製薬業界で生まれたハイスループット・プロセス(HTP:多
数の合成反応を比較的少ない労力で行う技術)と人工知能(AI)を活用し、それぞ
れの用途に適したセル材料を提供する。
グループ14は2015年の設立で、ワシントン州に本拠を置く。シリコンとカーボンの
複合材料でアノード(負極)を製造している。これを用いたリチウムシリコン電池
は従来のリチウムイオン電池よりもエネルギー密度が格段に高い特長がある。
グループ14は先月、韓国のSKマテリアルズと合弁でリチウムシリコンバッテリー用
材料の工場を同国に建設する計画を発表したばかり。