エストニアの衛星技術スタートアップ、100万ユーロを調達

●衛星運用のプラットフォームやセキュリティ技術を開発

●世界的に増える無線通信のセキュリティ需要取り込みを狙う

衛星運用技術を開発するエストニアのスタートアップ、スペースイット(Spaceit)はこのほど実施したプレシードラウンドで100万ユーロの調達に成功した。エストニアの第2都市タルトゥに拠点を置く同社は衛星運用のためのサービスプラットフォームやサイバーセキュリティ技術を開発している。

「サービスとしての宇宙管制(MCaaS)」を掲げる同社の衛星管制用プラットフォームはクラウドベースで機能する。顧客の衛星運用企業は世界各地の地上基地局で構成されるネットワークにアクセスして利用することができる。

スペースイットによると、プラットフォームを利用することで衛星の管理コストの80%を削減できる。昨年は全世界で過去最高となる1,283基の衛星が打ち上げられており、運用の根幹をなす無線通信システムのセキュリティ確保に関するサービスへの需要が高まっている。

銀行やソフトウエア業界出身者により2015年に設立された同社は、これまでにエストニアにある欧州宇宙庁(ESA)のビジネスインキュベーションセンターやスターバースト・アクセラレーターの支援を受けてきた。創業メンバーのひとりヤラカス氏は、2013年に打ち上げられた同国初の人工衛星「EST-Cube1」の打ち上げチームに参加した経歴を持つ。

今回のラウンドではエストニアのUGインベストメンツなどが資金調達に応じ、フィンランドのベンチャーキャピタル(VC)Icebreaker.vcが幹事社を務めた。

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