ドイツ連邦陸運局(KBA)が20日発表した電動車の1~7月の新車登録台数は36万8,163台となり、前年同期(19万9,935台)の2.8倍に拡大した。購入補助金が昨年7月以降、大幅に引き上げられたことが大きい。乗用車新車登録に占める割合は8.5%から約2.7倍の22.6%へと上昇した。
同国では電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)が電動車とされ、補助金交付の対象となっている。FVCは全国レベルの水素補給インフラが未整備のため、ほとんど普及しておらず、電動車の大半はEVとPHVが占める。EVは167.5%増の17万4,180台で、シェアは10.7%に上った。
電動車の割合が最も高いブランドはEV専門のテスラ、スマート、ポールスターで、100%に上った。これにDSが42.9%、ボルボが42.8%、現代が30.4%、ルノーが30.3%、起亜が30.0%で続いた。
スマート以外のドイツ車をみると、高級ブランドのメルセデス(29.7%)、ポルシェ(29.1%)、ミニ(27.8%)、アウディ(24.0%)、BMW(23.8%)で全体の平均(22.6%)を上回った。二酸化炭素(CO2)の排出量が多い大型の内燃機関車の販売比率が高いことから、欧州連合(EU)のCO2規制を順守するためには電動車の販売を増やさなければならないという事情が背景にある。大衆車ブランドのVWは20.9%と平均をやや下回ったものの、前年同期の7.4%から急拡大した。
日本車では三菱が27.9%となり、全体の平均を唯一、上回った。日産は12.8%、ホンダは10.0%、マツダは6.5%、トヨタは3.3%、レクサスは1.5%、スズキは0.3%だった。
1~7月の電動車のシェアは前年同月を大幅に上回った。1月は前年同月の6.6%から21.7%、2月は6.9%から20.7%、3月は9.2%から22.5%、4月は8.5%から22.1%、5月は7.3%から23.4%、6月は8.6%から23.6%、7月は11.4%から23.5%へと拡大。すべての月で20%を超えた。