●生産拠点のみならず研究開発拠点としても脚光
●米フォード、独ポルシェなどの投資計画が注目
対ルーマニアの直接投資(FDI)で自動車関連企業の重要性が高まっている。同国の工業生産高に占める自動車の割合は23%と、現時点でも他の東欧の欧州連合(EU)加盟国より大きいが、今年上半期に発表された新規投資計画をみると、単なる生産拠点としてではなく、研究開発(R&D)拠点としても同国が注目されているようすがうかがわれる。
今年に入って明らかになった進出企業の投資計画では、米フォードが大きな注目を集めた。クラヨバ工場で2023年から新型小型商用車を、24年からその電動仕様車(EV)の生産を開始するというもので、これに向けた投資規模は3億米ドルに上る。
都市としては西部ティミショアラの人気が目立った。監査法人大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の最新の調査によると、ティミショアラは今年発表されたFDI計画の投資先として、首都ブカレスト(33%)、クルジュ・ナポカ(12%)に次いで3番目(11%)に付けている。
自動車関連では、まず、独ポルシェの技術サービス子会社ポルシェ・エンジニアリングが研究開発(R&D)拠点を新設すると発表した。自動車部品大手の独ドレクスルマイアーは今後6年間で2億ユーロを投資し、電動車向けバッテリー工場を新設する。
同じく自動車部品を手がける独ZFも、ティミショアラ拠点を電動車関連のR&D拠点として拡張する方針を発表。今後3年間で毎年100人を新規採用し、雇用を3倍化する予定だ。