仏富豪アルノー氏、カルフールへの出資引き揚げ

フランスの大富豪で、高級ブランド大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイ・ヴィトンを率いるベルナール・アルノー氏が、大株主となっている仏小売り大手カルフールへの出資を引き揚げたことが1日に分かった。経営改善への不満が背景にあると目される。

アルノー氏は傘下の持ち株会社を通じて保有していたカルフールの株式5.7%を市場で放出した。売却額は7億2,400万ユーロ。

経営不振が続くカルフールは、2017年に就任したボンパール最高経営責任者(CEO)の主導で資産売却、コスト削減などの再建計画を進めてきたが、アルノー氏は計画の進展状況に満足していなかったとされる。1月にカナダのコンビニエンスストア大手クシュタールへの身売りが浮上し、アルノー氏は支持したが、仏政府が反対したため破談に終わった経緯がある。

1株当たりの売却額は、アルノー氏が07年にカルフールに出資した際の47ユーロを大きく下回る16ユーロで、同氏は損切りに踏み切った格好となる。

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