製造業新規受注が過去最高に、7月は前月比3.4%増加

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した7月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を3.4%上回る118.7(暫定値)となり、統計を開始した1991年以降の最高を更新した。同指数の上昇は2カ月連続。大型受注で水準が強く押し上げられており、大型受注を除いたベースでは0.2%減少した。

ユーロ圏外の受注が15.7%増えて全体をけん引した。国内は2.5%減、ユーロ圏(ドイツを除く)は4.1%減と振るわなかった。

伸び率が最も大きかった部門は消費財で7.5%に上った。国内が12.3%、ユーロ圏外が9.5%の幅で伸びた。

投資財は5.4%増となり、2カ月連続で大きく拡大した。ユーロ圏外が21.4%増と大幅に増え、国内とユーロ圏の減少が相殺された格好だ。

中間財は0.5%縮小した。国内が4.1%落ち込んだためで、ユーロ圏は3.0%、ユーロ圏外は3.3%増えた。

製品分野別では製薬が大きく伸びた。「その他の車両」も大型受注の効果で押し上げられた。機械はこれまでの拡大傾向が続き1.8%増加。自動車は大幅増となった前月の反動で4.3%落ち込んだ。

新規受注は新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると実質15.7%増加した。昨年2月を上回るのは10カ月連続。

製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、6~7月は前の期の4~5月を実質4.6%上回った。大型受注を除いたベースでは0.3%減少した。

統計局が同日発表した7月の製造業売上高は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比1.9%増(暫定値)となった。昨年2月に比べると4.6%低い。新規受注は昨年5月から拡大傾向が続き、コロナ禍前の水準を大きく上回っているものの、原料や部品の供給不足が響き売り上げの回復は鈍い。

統計局は今回、今年6月の製造業売上を当初の前月比1.4%減から同1.1%減へと上方修正した。

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