電動自転車市場が縮小見通し、需要旺盛も部品不足で

独自転車製造業連盟(ZIV)は8月31日、電動アシスト自転車の国内販売台数が今年は前年比2.6%減の190万台となり、これまでの2ケタ増から縮小に転じる見通しを明らかにした。コロナ禍からの世界経済の回復を背景とする部品不足と物流ひっ迫が下半期に一段と悪化すると予想されるため。需要自体はこれまでに引き続き旺盛なものの、十分な量を供給できない状態だ。状況の改善は来年末まで見込めないとしている。

今年上半期の国内自転車販売台数は275万台で、前年同期を14.1%下回った。比較対象の昨年上期はコロナ感染を回避する移動手段として自転車の人気が急上昇し在庫が一掃されており、その反動が部品不足とともに響いた。従来型の人力自転車が26.2%減の155万台と大きく後退。電動アシスト自転車は9.1%増の120万台に拡大した。

上期の国内自転車生産台数は141万台で、前年同期を1.8%上回った。需要の伸びが特に大きい電動アシスト自転車が11.7%増の81万台へと拡大。人力自転車は9.1%減の60万台へと落ち込んだ。メーカーは人力自転車の生産を減らし電動アシスト自転車の生産を強化しているもようだ。

自転車の輸出台数は90万台で、前年同期を10.6%上回った。電動アシスト自転車が16.6%増の36万台、人力自転車が7.0%増の54万台とともに拡大した。

輸入台数は11.7%増えて220万台となった。電動アシスト自転車が27.6%増の71万台と全体をけん引。人力自転車も5.5%増の150万台と堅調だった。

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