鉄鋼大手の独ティッセンクルップは6日、二酸化炭素(CO2)の排出量を70%削減した新製品の引き渡し式をデュースブルク工場で行った。同製品は顧客メーカーのCO2排出削減に寄与することから、需要の拡大が見込まれている。ティッセンは販売を徐々に拡大していく意向で、すでに複数の企業と協議を行っている。
同製品を「ブルーミント(Bluemint)」という新ブランドで市場投入した。最初の顧客となった浴槽メーカーのカルデヴァイに製品を引き渡した。カルデヴァイのフランツ・カルデヴァイ社長は「(ブルーミントの調達は)わが社の気候目標を達成するための重要な一歩だ」と明言した。
ティッセンは還元鉄の一種であるHBI(ホット・ブリケット・アイアン)を使用することで高炉へのコークス投入量を削減。生産に伴い発生するCO2の大幅削減を実現した。製品1トン当たり排出量は従来製品より1.5トン少ない0.6トンとなった。
この製法は国際的な認証機関DNVの認証を受けていることから、ブルーミント製品の購入企業はカーボンフットプリントのバランスシートを改善できる。
ティッセンは将来的に、コークスの代わりにグリーン水素を高炉の還元剤に投入し、CO2の排出量を一段と削減する意向だ。水素還元製鉄を2025年から開始することを目指している。