●EV用リチウム電池セパレータの年産能力は3.4億平方メートル
●24年第2四半期までに第4工場まで開設の予定
韓国SKイノベーション(SKI)の系列企業であるSKアイイーテクノロジー(SKIET)が6日、ポーランド南部のシロンスク県で、電動車(EV)向けリチウムイオン電池用セパレータ(LiBS)の第1工場を開所した。同社が欧州に生産拠点を設けたのはこれが初めて。今後、シロンスク県でさらに3工場を開設する予定だ。
第1工場の年産能力は3億4,000万平方メートル(EV約30万台分)。試験生産を経て、年内に量産を開始する。
SKIETは今後、2023年第1四半期に第2工場、「23年第4四半期から24年第2四半期」に第3、第4工場を稼働させる計画だ。年産能力は第2工場が第1工場と同じ3億4,000平方メートル、第3、第4工場がそれぞれ4億3,000万平方メートルとなる。
ノ・ジェソク最高経営責任者(CEO)はポーランドを「SKIETの欧州生産基地」と位置付けたうえで、全4工場について、「量産開始時にフル稼働できるだけの受注を獲得している」と述べた。
最初の出荷先は、今月1日にSKIから分社した電池事業SKオンだ。同社は19年以来、ハンガリー北西部のコマーロムでバッテリー工場を運営する。今年12月に同地で第2工場が、28年にはブダペストに近いイヴァーンチャで第3工場が稼働する予定だ。
SKIETはポーランドで合計27億5,000万平方メートルの生産能力を整備することとなる。一方、本国の生産能力は現在、5億3,000万立方メートル、中国・常州工場は5億1,000万平方メートルだ。常州工場では来年1月に第2工場が完全稼働すると、生産能力がさらに1億7,000万平方メートル増加する。
SKIETは今年5月の上場(IPO)で投資資金として8,980億ウォンを調達した。SKIもこれに合わせてSKIETの持ち株40%を売却し、1兆3,476億ウォンの現金化に成功した。