ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した10月の乗用車新車登録台数は前年同月比34.9%減の17万8,683台と大きく落ち込んだ。減少は4カ月連続。半導体不足に伴う生産調整の影響が一段と強まっており、下げ幅は前月の22.7%から大幅に拡大した。1~10月の累計は219万6,244台で、前年同期を5.2%下回った。
10月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は32.0%増の3万560台となり、これまでに引き続き拡大した。これまで増加が続いていたプラグインハイブリッド車(PHV)は4.5%減の2万3,734台と縮小に転換。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体でも18.4%減の5万1,327台へと落ち込んだ。シェアはEVで17.1%、PHVで13.3%、HV全体で28.7%に達しており、EVとHVの合計は45.8%に上った。
内燃機関車は振るわず、減少幅はガソリン車で43.9%、ディーゼル車で56.7%に達した。シェアはそれぞれ前年同月の42.1%から36.2%、26.0%から17.3%へと落ち込んだ。ディーゼル車はEVとほぼ同水準となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均111.9グラムで、前年同月から14.9%減少した。純粋な内燃機関車が激減し、EVが大幅に増えたことが反映されている。
新車登録が増えた部門は大型車(15.3%増)とキャンピングカー(2.8%増)だけで、そのほかはすべて減少した。減少幅は大型バンで61.2%、ユーティリティーズ(ハイルーフコンビ、マイクロバス、ピックアップ)で53.0%と50%を超え、小型車とコンパクトカーもそれぞれ44.8%、44.0%に達した。SUVは14.3%減少したものの、シェア28.5%を確保。シェア2位のコンパクトカー(16.9%)との差を広げた。
主要ブランドのなかで増加幅が最も大きかったのはEV専門のテスラで、482.9%増の1,469台を記録。電動車専門のポールスター(84.7%増の325台)がこれに続いた。前年同月を上回ったのはテスラとポールスターを含め8ブランドにとどまる。
ドイツ車ではEV専門のスマートが13.0%増の2,758台と唯一、増加した。そのほかのブランドはポルシェが0.8%減の2,688台、BMWが16.2%減の1万7,452台、オペルが27.6%減の1万2,204台、ミニが31.5%減の2,977台、フォードが39.9%減の9,968台、VWが40.2%減の2万8,221台、メルセデスが45.0%減の1万7,978台、アウディが57.7%減の8,842台。
日本車は三菱(5.9%増の3,635台)とスバル(5.8%増の435台)で前年同月を上回った。レクサスは6.0%減の373台、ホンダは24.4%減の817台、マツダは33.1%減の2,542台、スズキは36.2%減の1,450台、トヨタは39.2%減の4,855台、日産は40.7%減の1,550台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドでは双竜(4.6%増の137台)、ジープ(4.5%増の1,182台)、DS(1.1%増の184台)が増加。そのほかはすべて減少した。各ブランドの実績は起亜が7.1%減の5,898台、プジョーが15.7%減の4,261台、ボルボが17.9%減の3,754台、フィアットが19.9%減の5,394台、現代が22.6%減の8,096台、ランドローバーが30.5%減の865台、ダチアが32.1%減の3,103台、アルファロメオが33.7%減の238台、シトロエンが37.8%減の2,430台、ルノーが43.2%減の7,354台、セアトが48.6%減の5,109台、ジャガーが55.1%減の185台、シュコダが55.3%減の7,661台となっている。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した10月の国内乗用車生産台数は23万7,000台で、前年同月を38%下回った。輸出台数は39%減の17万7,700台。1~10月は生産台数が前年同期比8%減の256万3,500台、輸出台数が8%減の195万1,300台だった。