ブースター接種を全面解禁、新規感染者は2日連続で記録更新

ドイツのイェンス・シュパーン保健相と国内16州の保健相は5日の会議(GMK)で、新型コロナウイルス用ワクチンの接種完了者が全員、追加免疫(ブースター)接種を受けられるようにすることで合意した。国の予防接種常任委員会(STIKO)はブースター接種勧告の対象を高齢者や基礎疾患の持ち主、医療・介護関係者に制限しているが、新規感染者の急増でブースター接種の対象拡大を求める声が強まっていることから、GMKは全面解禁を決議した。新規感染者数は2日連続で過去最高を更新している。

同国では現在、12歳以上であれば新型コロナワクチンの接種を受けることができる。今回の会議では接種完了から6カ月が経過すれば、誰でも接種を受けられるようにすることが取り決められた。連邦保健省の8月30日付「コロナウイルスワクチン接種省令」では全接種完了者にブースター接種の権利を認めているが、STIKOが全面解禁を勧告していないこともあり、同サービスを提供する医療機関は少ないもようだ。

GMKの解禁決議を受け、ブースター接種が受けやすくなる。シュパーン保健相は会議後の記者会見で、ブースター接種を家庭医や公共のワクチン接種拠点・バスで受けられるようになると述べた。

ロベルト・コッホ研究所(RKI)の4日の発表によると、ドイツの新型コロナの新規感染者数は3万3,949人となり、昨年12月18日に記録した過去最高を172人上回った。5日の発表ではさらに3万7,120人へと増加。前週同日(2万4,668人)から50%も拡大した。

集中治療を受けるコロナ患者は同29%増の2,332人へと拡大し、コロナ患者による集中治療病床の使用率は8.2%から10.4%へと上昇した。シュパーン保健相は新規感染者の約0.8%が感染の10~14日後に集中治療室に運び込まれている現状を指摘。1日当たりの感染者が4万人であれば、そのうちの300人以上は集中治療を受けることになるとして、状況は今後、一段と悪化するとの見通しを示した。

すでに一部の地域では集中治療のキャパシティが限界に近づいている。ザクセン州のペトラ・グリムベンネ保健相は、緊急性の低い手術の延期措置を近日中に再び導入せざるを得なくなるとの見方を示した。

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