独自動車部品大手のボッシュは11月3日、1つのセンサーボックスで車両の外部の破損と車内の煙を検知・分析することができるサービス「ライドケア(Ridecare)」を開発していると発表した。センサーボックスと人工知能(AI)を活用したクラウドベースのデータ分析を組み合わせたもので、車両の破損や車中での喫煙についてリアルタイムで情報を得ることができる。修理や清掃などの対応を迅速に行うことができるため、多数の車両を管理するフリート企業やカーシェアリングなどのモビリティ・サービス会社などに需要があると見込んでいる。ボッシュは現在、アジア、北米、ドイツのカーシェアリング会社と協力しパイロットプロジェクトを実施している。
フロントガラスに設置したセンサーボックスが煙や事故を検知するとクラウドのバックエンドに情報を伝達する。人工知能は、衝突の強度や車両の位置、周辺の交通インフラの情報、車両の移動方向などから、破損の度合い、破損の場所などを分析する。車両が停車中に破損した場合もセンサーが感知することができる。
事業者は同サービスの利用により、迅速に車両の修理や清掃を行うことが可能になり、ドライバーの快適性が向上する。また、記録・分析データは、破損に関する報告書の作成にも活用することができる。
ボッシュが引用した米経営戦略コンサルティング会社Strategy&(ストラテジーアンド)の調査によると、自家用車の代替となるモビリティ・サービスの市場規模は今後拡大する見通し。欧州の市場規模は、現在の1,270億米ドル(ドイツ市場はこのうち170億米ドルを占める)から、2035年までに4倍を超える5,490億米ドルに拡大する可能性があるという。