9月の製造業新規受注、1.3%増も回復幅は小

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が4日発表した9月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を1.3%上回る111.2(暫定値)となり、2カ月ぶりに増加した。大型受注が多かったことが水準を押し上げており、大型受注を除いたベースでは増加幅が0.2%だった。前月は8.8%減(大型受注を含む)と大きく落ち込んだことを踏まえると、回復幅は小さい。

9月の新規受注を地域別でみると、ユーロ圏外が14.9%増と大きく拡大した。前月は14.7%減少しており、その反動が大きい。国内は5.9%減となり3カ月連続で縮小。ユーロ圏(ドイツを除く)も7.3%減と大幅に落ち込んだ。

部門別では投資財が3.9%増えて全体を押し上げた。ユーロ圏外が21.2%減となった前月の反動と大型受注の効果で25.8%増加したことが大きい。国内は10.4%、ユーロ圏は13.7%落ち込んだ。

中間財は2.0%減となり、3カ月連続で縮小した。ユーロ圏外が7.4%、国内が0.7%の幅で減少。ユーロ圏は2.3%増加した。

消費財は1.7%減となり、2カ月連続で落ち込んだ。ユーロ圏外は5.5%増えたものの、国内が5.7%、ユーロ圏が4.0%縮小した。

増加幅が特に大きかった業界は機械で、12.2%に達した。自動車も9.6%増えている。

新規受注は新型コロナウイルスの流行が本格化する直前の昨年2月に比べると実質8.6%多かった。昨年2月を上回るのは12カ月連続。

製造業新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、7~9月は前の期の4~6月を実質1.0%上回った。大型受注を除いたベースでは3.6%減少した。

統計局は今回、8月の製造業新規受注指数を当初の前月比7.7%減から同8.8%減へと下方修正した。

統計局が同日発表した9月の製造業売上高は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比0.3%減(暫定値)となった。昨年2月に比べると10.4%低い。

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