「独・EUの鉄道入札で現調義務化を」、業界団体と労組が政府に要求

欧州で行われる鉄道分野の入札に参加する欧州連合(EU)域外の企業に最低50%の現地調達比率を義務付けることを、独鉄道産業連盟(VDB)と独金属労組IGメタルが要求している。国家助成を受けた中国メーカーが安値で応札して落札するケースが多い現状を改めることが狙いだ。VDBとIGメタルが共同作成したドイツ政府向けのポジションペーパーをもとに15日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

世界各地で行われる鉄道車両入札に国有メーカーの中国中車(CRRC)は破格値で応札し、落札することが多い。常識的に考えて利益を得られない価格であることから、背後に中国政府の支援があると目されている。

EU内の公共入札では応札企業に加盟国が不当な助成を行うことが禁じられている。だが、EU域外の国による助成は同ルールの適用外であることから、中国企業は法の抜け穴をかいくぐる形で自国政府の支援を受け、EU内の入札で有利な立場に立つことができる。

VDBとIGメタルはこの問題への対策として、欧州製部品50%以上の使用を鉄道入札の条件とすることを要求した。ドイツ国内の入札とEUが助成金を交付する入札に適用するよう求めている。

FAZ紙によると、次期与党では特に社会民主党(SPD)が理解を示している。経済界寄りの自由民主党(FDP)内には懐疑的な見方があるという。

上部へスクロール