欧州半導体最大手の独インフィニオンが10日発表した2021年9月通期決算の純利益は11億6,900万ユーロとなり、前期(3億6,800万ユーロ)から約3.2倍拡大した。世界的な半導体不足で出荷価格が上昇したことが大きい。売上高は29%増の110億6,000万ユーロとなり、初めて110億ユーロを突破。営業利益(特別費や評価損益を除いたベース)は77%増の20億7,200万ユーロで、売上高営業利益率は13.7%から18.7%へと5ポイント上昇した。
営業利益が特に大きく伸びたのは車載半導体部門で、前期の1億4,700万ユーロから約5.4倍の7億9,200万ユーロへと拡大した。その他の部門も利益が増加。増益率はコネクテッド セキュア システムズで40%、パワー&センサー システムズで29%、インダストリアル パワー コントロールで7%に上った。
22年9月期は売上高がさらに「122億~132億ユーロ」、売上高営業利益率が約21%に上昇すると見込んでいる。ヨッヘン・ハーネベック最高執行責任者(COO)は、半導体需給のバランスは23年になっても回復しない可能性があるとして、供給不足が来年に解消される可能性は低いとの認識を示唆した。