チェコのプラハに設立されるコンピュータプログラミングの非営利教育機関。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車がこのほど、フランスのコンピュータプログラミング学校「エコール42」とプラハ校の設立に関する趣意書に署名した。シュコダ自は創設者およびスポンサーとして、他のパートナーと共にプラハ校の設立・運営を支援していく。
2021年5月にはVWの本社があるドイツのボルフスブルクに「42ボルフスブルク」が開校されている。VWはポルシェやマイクロソフトなどのパートナーとともに同校を支援している。
プラハ校は、2022年5月から入学者の募集を開始し、2022年9月に最初の学期がスタートする予定。学費は無料で、定員は最大450人となる見通し。同校は、従来の教授による講義形式ではなく、実務志向の学習を特徴とし、「ゲーミフィケーション(ゲーム的な要素を取り入れた学習)」や「ピア・ラーニング(学習者同士が互いに協力して学ぶ学習手法)」を取り入れる。
入学者は、オンラインによる適正試験の後、4週間の実務的な試験期間の中でやる気や資質を見極めて選出する。就学期間は3~5年で、例えば、シュコダ自などでの2回のインターシップがある。同校では、ハイテク機器を整備し、週7日24時間、利用できるようにする。
シュコダ自動車は、従来の自動車メーカーからソフトウエア志向の企業への転換を進めている。「42プラハ」の設立・運営支援により、この取り組みをさらに加速する。また、同校への支援は、チェコが国際的なハイテク拠点となるためにも寄与すると考えている。
「エコール42」は2013年にパリで設立された。現在は、世界的なIT分野の人材の教育機関となっており、世界22カ国の35拠点で約1万2,000人の学生を抱えている。同校では、卒業生の98%が卒業前に就職先を確保しているという。