独自動車大手ダイムラーは11月30日、乗用車・バン子会社のメルセデス・ベンツが全固体電池を開発する米新興企業のファクトリアルエナジー(以下、ファクトリアル)と技術・資本提携したと発表した。2022年にも最初のセルのプロトタイプを試験する。今後5年以内には、両社が開発した全固体電池を小規模生産して車両に搭載する計画。
次世代電池の全固体電池は、エネルギー密度の高さ、安全性の高さを特徴とし、充電時間の短縮や航続距離の拡大、電池の小型化が可能になる利点がある。
ダイムラーとファクトリアルは、バッテリーセルやモジュールの開発から自動車用電池の車両への統合までの幅広い範囲で協力する。
メルセデス・ベンツは、数千万米ドルをファクトリアルに出資する。これにより、同社はファクトリアルの取締役会に役員1人を送り込むことができる権利を得る。
■ ステランティスもファクトリアルに資本参加
欧州自動車大手のステランティスも同日、自動車用全固体電池の開発でファクトリアルと提携すると発表した。規模は明らかにしていないが、ステランティスもファクトリアルに資本参加する。
ステランティスは2021年7月に開催したオンラインイベント「EVデー2021」で、2026年までに全固体電池を搭載したモデルの市場投入を目指す方針を明らかにしている。