英が全成人に追加接種へ、オミクロン株対策で

英政府は11月29日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)について、全成人を対象とする方針を打ち出した。新たな変異株「オミクロン株」の流行に備えて、40歳以上となっている対象を拡大する。前回の接種との間隔を6カ月から3カ月に短縮することも決めた。

英国では9月から50歳以上と医療従事者、新型コロナに感染すると重症化するリスクが高い人を対象に追加接種を開始。11月中旬から40歳以上に拡大していた。

国内ではオミクロン株の感染者が相次いで確認。スコットランドでは29日、しばらく海外渡航歴がない人の感染も報告され、市中感染への警戒が強まっている。このため、政府は諮問機関であるワクチン・予防接種合同委員会(JCVI)に、追加接種拡大に関する勧告を要請。同委員会が29日に勧告を出し、ジャビド保健相が同日、全成人(18歳以上)への接種と間隔を短縮する意向を議会で表明した。これまでは1回で済むようにしていた12~15歳への接種に関して、2回目を行うことも決まった。

ジョンソン首相は30日、来年1月末までに成人の追加接種を完了する意向を表明。薬局や特設会場で接種できる体制を整え、軍も動員して接種を進める方針を示した。

オミクロン株を巡っては、既存のワクチンが効きにくい可能性が取り沙汰されているが、ジャビド保健相は「効果が弱まる可能性はあるが、重症化を防ぐ効果がまったくないとは考えにくい」と述べ、追加接種促進の意義を強調した。

水際対策も強化

さらに、政府はオミクロン株感染が160件に達した4日、水際対策の強化を発表した。すべての入国者に対して、出発前の48時間以内にPCR検査または簡易検査を受け、入国時に陰性証明を提示することを求める。12月7日の午前4時から実施する。

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