独ロベルト・コッホ研究所(RKI)の予防接種常任委員会(STIKO)は9日、5~11歳を対象とする新型コロナウイルスワクチンの接種について制限付きで勧告する方針を発表した。基礎疾患を持つ児童と、重症化リスクの高い高齢者などと接種する児童に限って勧告する考え。ただその一方で、健康な児童でも希望すれば接種を受けられるとしていることから、5歳以上であれば誰でも接種を受けられるようになった。州と専門機関の意見を聴取したうえで、近日中に勧告を出す予定だ。
欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は11月下旬、独バイオ企業ビオンテックと米製薬大手ファイザーが共同開発した新型コロナウイルス用ワクチンの域内での接種について、5~11歳も対象とすることを承認するよう勧告した。STIKOはこれを踏まえ今回の勧告案を作成した。
STIKOは、5~11歳の年齢層では感染者数が現在、極めて多いことから、中期的には大半が感染するとしながらも、大人と異なり感染しても重症化するリスクが低いことを指摘。また、副反応に関するデータが不十分であることを挙げ、現時点では健康な児童への勧告を保留する意向を表明した。安全性が確認されれば勧告対象に加える考えだ。