原材料不足が化学業界を直撃、来年は生産成長率2%に

原材料不足が独化学業界(製薬を含む)に大きな影響をもたらしていることが、独化学工業会(VCI)の会員企業アンケート調査で分かった。それによると、原材料の供給不足を受けて生産を縮小した企業は35%に達した。「一時的に生産を停止した」も10%と少なくない。「顧客から受注した製品を実際に生産するまでの期間が長期化している」との回答は73%に達した。状況改善は来年夏まで見込めないとしている。

エネルギー価格の高騰も大きな問題となっている。その対応策としては「出荷価格に転嫁する」が70%で最も多かった。「ヘッジビジネスの活用/調達契約の長期化/調達先の変更」は34%、「顧客との契約条件の変更」は29%だった。「エネルギー消費量の多い施設での生産を減らした」との回答も5%あった。

VCIは今回、2022年の業界予測も発表した。生産成長率で2.0%(製薬を除くと1.5%)、出荷価格でプラス3.0%(同3.5%)を見込む。売上高については5.0%増の2,310億ユーロを予想(製薬を除いたベースでも5.0%増)。国内売上で6.0%、国外で同4.5%の伸びを見込んでいる。

21年の業界予測は据え置いた。生産成長率で4.5%、出荷価格で8.5%の上昇、売上高で15.5%増の2,200億ユーロを予想している。

部門別の生産成長率はポリマーで15%、石油化学品で3%、特殊化学品で3%、無機化学品で0%、消費者向け化学品でマイナス1.5%、医薬品で5.5%となる見通し。

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