独バイオ医薬品企業ビオンテックは5日、帯状疱疹ワクチンを米製薬大手ファイザーと共同開発することで合意したと発表した。両社が共同開発した新型コロナウイルスワクチンと同様、伝令RNA(mRNA)をベースに創薬する。2社はインフルエンザワクチンも共同開発しており、感染症分野の協業は今回で3件目となる。
帯状風疹は水痘(水ぼうそう)の病原体であるヘルペスゾスターウイルス(HZV)が原因で起こる感染症。子どもの頃にかかった水痘のウイルスが体中で長期間潜伏し、免疫が低下した際などに発症する。強い痛みを伴うことが多い。
両社はファイザーが開発した抗原技術と、ビオンテックが開発したmRNAプラットホーム技術を用いて帯状疱疹ワクチンを開発する。今年下半期に治験を開始する計画。コスト負担は分け合う。ファイザーはドイツ、トルコおよびビオンテックが権利を持つ途上国を除くすべての国で販売する権利を持つ。製品販売で得られる粗利益は分け合う。
今回の協業でファイザーはビオンテックに計2億2,500万ドルを支払う。内訳は現金が7,500万ドル、自社株が1億5,000万ドル。また、認可と売上高に応じて最大2億ドルのマイルストーンを支払う。ビオンテックからは抗原技術のライセンス料2,500万ドルを受け取る。