独複合企業ティッセンクルップは13日、電解プラント・エンジニアリング子会社ティッセンクルップ・ウーデ・クロリンエンジニアズの社名をティッセンクルップ・ヌセラ(nucera)」に改めると発表した。ヌセラは新しいを意味する「new」と、ウーデ・クロリンエンジニアズの略である「UCE」、時代を意味する「era」を組み合わせた造語。「イノベーション、トランスフォーメーション、グリーンエネルギーの新しい時代への旅立ち」を象徴する語と説明している。
ウーデ・クロリンエンジニアズはグリーン水素製造用の電解槽分野で世界有数の企業。経済脱炭素化の動きを背景に将来性を高く評価されている。
ティッセンは同子会社の成長を加速させるための最善策を検討中。現時点では新規株式公開(IPO)を最有力の選択肢とみている。事業拡大の資金を確保できるうえ、同子会社の市場価値も明確化できるためだ。
ウーデ・クロリンエンジニアズの2021年9月通期の売上高は3億1,900万ユーロで、前期を約25%上回った。営業利益(EBIT)は過去3年、約2,700万ユーロで安定的に推移している。グリーン水素分野の受注残高は昨年末時点で約9億ユーロに上った。同事業の拡大を通して25年9月期には売上高を6億~7億ユーロに拡大する意向だ。