エボニック―バイオ界活性剤の量産工場建設―

特殊化学大手の独エボニックは14日、スロバキア中部のスロベンスカー・ルプチャにあるプラント内にバイオ界面活性剤の生産施設を建設すると発表した。石油を用いない環境に優しい洗剤やシャンプーの需要増に対応する。

1億ユーロのケタ台の資金を投じて工場を建設し、バイオ界面活性剤ラムノリピッドを生産する。ラムノリピッドでは世界初の量産工場となる。2年後の操業開始を予定している。

ラムノリピッドは砂糖を発酵させて製造する界面活性剤。完全に生分解することから環境に悪影響をもたらさない。ラムノリピッドが普及すれば石油やパーム油などを原料とする従来型の界面活性剤は不要となる。

エボニックが製造するラムノリピッドは2019年、日用品大手ユニリーバがチリ市場に投入した家庭用洗剤「Quix」で実用化された。ユニリーバのピーター・デッカーズ中欧地域副社長は、ラムノリピッドは洗剤製品の原料を2030年までに非化石原料へと切り替える同社の戦略上、重要な役割を果たすと述べた。

エボニックはユニリーバだけでなく、他の企業向けのラムノリピッド供給も拡大し、バイオ界面活性剤市場での地位を強化する意向だ。

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