●物価の上昇に歯止めをかける目的
●中銀は今後も積極的な金融引き締めの方針
チェコ中央銀行(CNB)は12月22日、主要政策金利である14日物レポ金利を1ポイント引き上げ、3.75%に設定した。利上げは5会合連続。市場は0.75ポイントの上げ幅を予想していた。物価の上昇に歯止めをかけるため積極的な金融引き締めを継続する。ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ4.75%、2.75%に引き上げた。
同国の11月のインフレ率は前月から0.2ポイント増の6%に拡大し、5カ月連続で目標水準(1~3%)の上限を上回った。通貨コルナ安に伴う輸入品価格の上昇と、燃料・食品価格の高騰、強い需要を受けた供給不足が影響している。
中銀は今後について、数四半期は上限を大幅に上回る水準で推移するが、引き締め策の継続により、2022年後半から2023年初頭にかけて目標水準の中央値(2%)に近づくとみている。
中銀は声明で、国内外の需要増大を受けた価格上昇圧力の高まりと、労働力不足に伴う賃金の急速な伸びがインフレ期待を高めていると指摘。「目標から著しくかけ離れるインフレ期待の膨らみは容認しない」とし、物価の安定に向けて利上げを続ける準備があると明言した。