ロベルト・コッホ研究所(RKI)が21日発表した新型コロナウイルスの20日の新規感染者数(報告ベース)は14万160人となり、過去最高を3日連続で更新した。感染力の極めて高いオミクロン株が主流となっていることが大きい。2月中旬には少なくとも40万人に拡大すると予想されており、爆発的な感染拡大は今後さらに加速する見通しだ。
新規感染者数は18日に11万2,323人となり、初めて10万人を突破。19日には13万3,536へと拡大していた。
人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数(7日間の発生数)は21日に706.3人に達し、初めて700人を超えた。25日にはさらに894.3人へと拡大しており、直近の底である12月29日(224.3人)からは4倍に拡大している。
7日間の発生数は人口が密集する都市州で特に多く、ベルリンは1,593.5人(25日)、ハンブルクは1,547.4人、ブレーメンは1,496.3人を記録。ベルリンを取り囲むブランデンブルク(1,194.8人)とヘッセン(1025.4人)も1,000人を超えた。1,000人はわずか1週間で人口の1%が新規感染したことを意味する。バイエルンは984.1人、ノルトライン・ヴェストファーレンは867.5人。最低のテューリンゲンでも310.8人と高水準だ。
オミクロン株の感染が確認された人は21日までに累計で26万8,661人に達した。前日からは2万616人(8%)増えている。ただ、検体がどの株に感染したかが確定するまでに時間がかかるうえ、オミクロン株はデルタ株などに比べ軽症や無症状のケースが多いため、実際の感染者数はこれを大幅に上回る。
新規感染者数に占めるオミクロン株の割合(18日のデータ)をみると、2022年第2週(1月10~16日)は89.3%となり、前週の62.4%(修正値)から大幅に拡大した。国内16州のうちブレーメン(96.2%)、ベルリン(94.9%)、ニーダーザクセン(94.3%)、ハンブルク(94.2%)、ヘッセン(92.2%)、バイエルン(91.3%)、ノルトライン・ヴェストファーレン(91.3%)の7州で90%を超えている。これまで同比率が低かった東部州もメクレンブルク・フォーポマーン(16.2%)以外は60~80%台に達した。
オミクロン株の累計の感染死者数は134人で、80歳以上が100人を占める。60~79歳は28人、35~59歳は5人、15~34歳は1人。14歳以下で死亡した人はこれまでのところいない。
新型コロナ患者の集中治療病床使用率は23日時点で10.89%だった。オミクロン株は重症化リスクが従来株に比べ低いことから、直近のピークである12月12日(22.32%)の半分以下まで低下している。ただ、一般病棟に入院する人は増え始めており、人口10万人当たりの直近7日間の新規入院者数は25日時点で4.07人となり、前日の3.87人から0.2人増加。17日(3.14人)を底に拡大が続いている。