ドイツ連邦統計局が20日発表した12月の生産者物価指数は前年同月比24.2%増となり、統計を開始した1949年以降で最大の伸びを記録した。同物価の上昇は13カ月連続。エネルギーと中間財がこれまでに引き続き全体を強く押し上げた。
エネルギーの上昇率は69.0%となり、前月の同49.4%を大幅に上回った。上げ幅は欧州での供給が不足している天然ガスで最も大きく121.9%を記録。同取引所価格は597.4%、発電所向けは307.4%、産業向けは234.9%、再販事業者向けは140.5%に達した。一般世帯向けは9.2%だった。
電力の上げ幅は74.3%に上った。取引所価格は同418.0%、再販事業者向けは124.4%、特別契約顧客向けは92.2%を記録。一般世帯向けは1.8%にとどまった。
石油製品は39.8%上昇した。液化石油ガスが87.1%、灯油が72.7%、自動車燃料が33.7%高くなった。
エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は10.4%。
中間財の上げ幅は19.3%(前月19.1%)に上った。製造業の景気回復を背景とする需要の急増、原料不足、運賃高騰が響いた。中間財全体を最も強く押し上げたのは金属で、36.1%を記録。銑鉄・鉄鋼・鉄合金は54.4%、非鉄金属は24.5%だった。このほか二次原料(79.1%)、木製梱包材(66.9%)、肥料・窒素化合物(63.5%)、針葉樹材(61.5%)、段ボール(41.3%)、飼料(26.8%)、穀物粉(21.5%)などで上昇率が大きかった。
投資財は3.8%、耐久消費財は3.7%それぞれ上昇した。
非耐久消費財の上げ幅は4.7%となり、前月の3.7%から拡大した。食料品は同6.4%で、非加工の植物油は54.5%、バターは48.1%、牛肉は18.8%、コーヒーは10.6%に上った。
生産者物価は前月比の上昇率も5.0%と大きく、統計開始後の最高を更新した。エネルギーで15.7%を記録。中間財は0.9%、投資財は0.3%、耐久消費財は0.1%、非耐久消費財は0.8%だった。エネルギーを除いた同物価の上げ幅は0.7%にとどまった。
2021年の生産者物価の平均上昇率は10.5%に上った。エネルギーが24.8%上昇して、最も強く全体を押し上げた。上げ幅は天然ガスで41.7%、石油製品で27.6%、電力で25.1%となっている。エネルギーを除いた同物価の上昇率は6.1%だった。エネルギー以外の上げ幅は中間財が12.5%、投資財が2.0%、耐久消費財が2.3%、非耐久消費財が1.1%となっている。