ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は28日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための規制を早ければ2月にも緩和する可能性を明らかにした。感染力が極めて高いオミクロン株の拡大局面にある現時点での緩和には反対だとしながらも、感染の波が打ち破られれば2月下旬~3月初旬にも緩和できるとの見方を示した。
感染は拡大傾向が続いている。ロベルト・コッホ研究所(RKI)が28日に発表した前日の新規感染者数は19万148人に達した。過去最高となった前日(20万3,136人)を下回ったものの、これまでで2番目に高い水準だ。
人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数(7日間の発生数)は27日に1,017.4人となり、初めて1,000人を突破。28日にはさらに1,073.0人へと拡大した。
7日間の発生数が特に多い州はこれまでに引き続き都市州で、ベルリンは1,829.4人、ハンブルクは1,673.4人、ブレーメンは1,588.7人に達した。ベルリンのテンペルホーフ・シェーネベルク地区は3,192.2人で、国内の計400強の地域のなかで最も多い。16州のなかで1,000人未満にとどまるのは5州に過ぎない。
入院するコロナ患者も増えている。人口10万人当たりの直近7日間の新規入院者数は28日時点で4.72人となり、前日の4.64人から増加。直近の底である17日(3.14人)からは1.58人増えた。
州別ではブレーメンが断トツで多く13.82人に達した。これにメクレンブルク・フォーポマーン(7.57人)、ハンブルク(6.86人)、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン(6.32人)が続く。メクレンブルク・フォーポマーンで数値が高いのは、重症化リスクの高いデルタ株が現在も主流にとどまっているためとみられる。
新型コロナ患者の集中治療病床使用率は27日時点で10.12%だった。オミクロン株は重症化リスクが従来株に比べ低いことから、12月12日(22.32%)を直近のピークに低下傾向が続いている。
新規感染者数に占めるオミクロン株の割合(25日のデータ)をみると、2022年第3週(1月17~23日)は95.5%となり、前週の84.6%(修正値)から一段と拡大した。国内16州のうちメクレンブルク・フォーポマーン(21.4%)とザクセン(84.5%)を除く14州で90%台に達している。
オミクロン株の拡大に比例してPCR検査件数が急速に増えている。直近の底である21年第52週(12月27日~1月2日)は96万件にとどまっていたが、翌22年第1週(1月3~9日)は150万件、第2週(1月10~16日)は205万件に拡大。第3週は国内キャパシティの限界である250万件に達した。国と州はこれを受け、PCR検査の対象を高齢者や基礎疾患を持つ人、医療・介護施設の職員などに制限することをすでに取り決めている。
PCR検査の陽性率も21年第52週から上昇が続いている。22年第3週は32.25%となり、前週(24.42%)を約8ポイント上回った。