欧州自動車のステランティスは27日、中国国有自動車大手の広州汽車集団と折半出資する中国の合弁会社に対する出資比率を75%に引き上げると発表した。不振が続く合弁事業の再建に向け、経営の主導権を握る狙いがある。ただ、広州汽車は一方的な発表として反発している。
ステランティスはフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とグループPSAが統合して2021年1月に誕生した世界4位の自動車グループ。中国の合弁会社は2010年にFCAと広州汽車が設立したもので、SUV車「ジープ」を生産している。
中国では1月から外国の自動車メーカーが合弁会社の過半数の株式を保有することが解禁された。これを受けてステランティスは出資比率を拡大し、21年9月に打ち出したジープの生産効率化を進める。詳細は3月1日に発表する国際事業戦略で明らかにする計画だ。
ステランティスは声明で、出資拡大については広州汽車と合意しており、中国当局の承認を経て実施するとしている。これに対して広州汽車は同日発表した声明で、正式合意しておらず、発表も認めていなかったとして遺憾の意を表明した。