操業短縮手当の支給は、受給条件の精査に先立って行われます。したがって、受給条件が実際に満たされていたかどうか、支給金額が適切であったかどうかなどについては、支給後に監査が行われることになります。原則として、監査では無作為に選出された一部の企業のみが対象となるのではなく、操業短縮手当を申請した全ての企業について行われます。
監査の際には、就労時間に関する記録や操業短縮導入における雇用条件、新規雇用があった場合には操業短縮が本当に必要であったかどうかなど、すべての必要情報が提出されなければなりません。監査は原則として労働局で行われますが、提出された資料が整合性に欠ける場合などには、監査対象となる企業の事務所や顧問税理士の事務所などで行われることがあります。
操業短縮手当を規定よりも多く受給していた場合には、規定金額を超えて受給した分を返済しなければなりません。反対に、規定よりも少なく受給していた場合には追加での受給が可能です。
規定より多く受給していた場合には、申請の際に明記した情報などに不正がなかったかどうかが審査されます。この際に、わざと事実と異なる情報を申告していたと見なされた場合には刑事責任が問われます。誤った情報で申告してしまった場合には、監査までに修正することが可能です。
監査における必要資料の提出には細心の注意が必要となります。特に時短勤務を強いられた全ての従業員の就労時間記録などは、操業短縮手当の受給中から正確な資料を作成しておくことをお勧めします。
ワンポイントアドバイス
操業短縮手当を申告した当月から受給するためには、管轄労働局へ月末までに休業の届け出を提出しなければなりません。また、企業が支払った操業短縮手当の還付を受けるためには、明細を管轄労働局へ3カ月以内に提出する必要があります。(例:3月支給の操業短縮手当に関しては、申請書と明細を6月末までに提出)