ボッシュ―売上記録更新―

自動車部品を中心に事業を展開する独ボッシュが9日発表した2021年12月期暫定決算の売上高は前年比10%増の788億ユーロとなり、過去最高を更新した。半導体不足などで生産調整を余儀なくされたものの、4部門すべてで増収を確保。コロナ禍に伴う前年の落ち込みを相殺した。

増収幅は産業技術部門で最も大きく、20%に達した。家電・電動工具などの消費財(13%)と暖房・ビル技術(11%)も2ケタ台の伸びを確保。主力の自動車部品は7.5%増の454億ユーロだった。シュテファン・ハルトゥング新社長は「今年も十分な量の半導体を確保できない」と発言。状況が下半期から改善し始め、来年に正常化することに期待を示した。

21年12月期の営業利益(EBIT)は前期の20億ユーロから32億ユーロへと60%増え、19年12月期の水準を回復した。売上高営業利益率は2.8%から4.0%に上昇したものの、同社長は「満足してはいない」と述べ、目標はこれまで同様7~7.5%だと強調した。

12月末時点の研究開発要員は7万6,300人で、前年同日から2,900人増加した。アジア太平洋で2,000人増の3万350人へと拡大。欧州は800人増の4万2,500人だった。北米は100人増の3,100人、南米は横ばいの350人となっている。

22年12月期は増収を見込んでいるものの、具体的な数値は示さなかった。売上高営業利益率は横ばいにとどまると予想している。

上部へスクロール