ドイツの天然ガス業界団体ツゥークンフト・ガスが9日発表した2021年の国内ガス暖房新規設置件数は前年比5%増の65万3,000件となり、過去最高を更新した。同国ではガス暖房の人気が高く、国内4,290万世帯の49.5%が使用。2位の石油暖房(24.8%)に大きく水をあけている。3位以下は地域熱(14.1%)、電気ヒートポンプ(2.8%)、電力(2.6%)の順で続く。
同団体のティム・ケーラー理事は25年以降に新設される各暖房の熱源の最低65%を再生可能エネルギーにするとした新政権の目標に言及。二酸化炭素(CO2)を排出しない水素暖房機器は近い将来、市場投入されるものの、当面は十分な量の水素をドイツが確保できるかどうか不透明だとして、目標実現に懐疑的な見方を示した。
同国の一次エネルギー消費量は昨年2.6%増加した。天然ガスは3.9%拡大。シェア26.7%で石油(31.8%)に次ぐ2位に付けた。3位は再生エネ(16.1%)、4位は褐炭(9.3%)、5位は石炭(8.6%)、6位は原子力(6.2%)となっている。